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下村先生は、社会経済的な要因によってキャリアが構築されないように、キャリアコンサルタントのあり方を述べております。長文になりますが、重要な点だと思いますので、引用いたします。
『まさに本人のキャリアが社会的に作られていってしまう過程に光をあてたものであるが、こうした理論群が言いたいことは、単に社会階層によってキャリア発達の有り様がことなってしまうということだけではない。むしろ、放っておけば自然と社会経済的な文脈に巻き込まれて、自分のキャリアを知らず知らずに構築してしまう若者に何とか適切な支援を提供し、うまくキャリア構築ができるようにしてあげたいという問題意識が濃厚である。この理論が「社会正義」のキャリア・カウンセリング理論と総称されることが多いのはそういう理由による。キャリアが社会的に構築されてしまうということは、不利な状況・不利な環境に置かれているクライエントは、今後のキャリア発達でも不利な環境に巻き込まれやすいということを意味する。社会構成主義を志向するキャリア・カウンセラーは、不利な状況・不利な環境に陥りやすいクライエントに対して、そこからの解放と離脱の物語を構築(再構築)していく必要性・必然性があるということを十分に考えておく必要がある。』
「社会構成主義キャリア・カウンセリングの理論と実践」P38-P39
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