2016年5月19日の日経新聞に「生産性上げる働き方改革を促せ」という社説がありました。(新聞は毎日リアルタイムに読めていないので、土日でまとめて読むこともあり、遅くなりました(汗))
この社説は、「ニッポン一億総活躍プラン」の内容を踏まえてのことです。
このプランの中には、「同一労働同一賃金」や「長時間労働」についても触れられております。生産性向上をさせることは良いことだと思いますが、今後この方向性で進んでいくことは間違いないと思いますが、そうすると、ますますメンタルヘルス不調者が増えていくのではないかと懸念しております。
企業は、ブラック企業というレッテルを張られたくないため残業などについて厳しく管理をしていくものと思います。また、同一労働同一賃金であれば、同じ時間であれば同じ生産性(同じ結果)でなければなりません。簡単な例で言うと、500文字の文書を入力するときに10分で入力できる人と20分かかる人とでは、生産性が一緒ではありません。そうすると同一労働同一賃金ではなくなります。人には得意、不得意があってもよいと思います。
メンタルヘルスの研修を実施するときには、必ず「認知の歪み」「考え方のクセ」などについて説明いたします。
「白黒思考」「全か無か」という両極端な考え方の持ち主は自分を苦しめることがあるので、グレー(灰色)があることを受入ましょう。
サービス残業はあまりお勧めできませんが、白か黒かで決めてしまうと、どんどん窮屈になっていきます。グレーな領域を労使が受け入れていたことで、バランスを保っていたことも多いのではないでしょうか。
ただ、今後はグレーの領域がどんどんなくなり、「結果は出せ!ただし、残業はするな!」ということになり、結果が思ったように出なかった場合は、パワハラ的な仕打ちを受ける可能性もあります。そうすることにより、どんどん疲弊され、メンタルヘルス不調になっていってしまうかもしれません。
生産性を上げることはとても大切だと思います。ただ、働く人すべてが意識変容ができないといけないと思います。
私ができることは限られますが、労働市場への橋渡し的な仕事(職業訓練)をしていることもあり、そこに関わる人にはこれらのメッセージを伝えたいと思います。
0コメント