本日も、岡本祐子先生の「アイデンティティ生涯発達論の射程」から引用いたします。
第4章は「関係性から見た生涯発達」というタイトルで「重要な他者」との関係性について触れております。
とくにP144~145にかけて次のように述べております。
重要な他者との関係の転機を契機とした関係性の再体制化プロセスを経た事例に共通していることは、重要な他者との関係における転機(危機)をきっかけとして、対象に対しての自分自身のあり方を問い直し、積極的にその解決に取り組んでいたことである。そのプロセスは非常に類似しており、時間軸に沿って考察すると以下のようである。
Ⅰ.危機として認知する段階
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Ⅱ.重要な他者との相互作用が意識化される段階
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Ⅲ.半生の他者とのかかわりを現在まで連続した事象として位置付け、内在化の作業がなされる段階
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Ⅳ.重要な他者へのコミットメントをとおした関係性の再体制化がなされる段階
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Ⅴ.他者一般へのコミットメントへと方向づけられる段階
このいずれかの文脈で5段階のプロセスを踏んだ関係性の再体制化を経験すれば成熟した関係性を有することができることが推測された。さらに、関係性が成熟していくためには、関係性の再体制化がなされることが重要であるとともに、いずれの文脈においても自己自身のあり方が問われるという経験を有すること、つまり内在化の作業が非常に重要な鍵となることが示唆された。
これらのことから、関係性の発達にとって、①自己への主体的位置づけ、②コミットメントの普遍性、の2つが重要な指標となる。
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