本日も、岡本祐子先生の「アイデンティティ生涯発達論の射程」から引用いたします。
第3章は「成人女性のアイデンティティの危機と発達」というタイトルで、成人女性にフォーカスを当て、「個としてのアイデンティティ」と「関係性にもとづくアイデンティティ」について触れております。
「個としてのアイデンティティ(個の確立志向型)」
青年期に強い自立志向性をもち、はっきりとした職業的自立を目指した者である。進路選択は、職業的自立を大前提にして行われた。このタイプの人々のアイデンティティ形成のテーマは、「私は○○になりたい」「人生の中で□□をしたい」という明確な個人としてのアイデンティティに方向づけられていた。
「関係性にもとづくアイデンティティ(関係性志向型)」
自立志向性は弱いか、青年後期の早い時期(大学の学部生時代)に職業的自立を断念し、生き方の基盤を「重要な他者」にシフトした人々である。このタイプのアイデンティティ形成のテーマは、「私は◇◇とともに人生を送りたい」「私は△△のような家庭を築きたい」というものであり、関係性を基盤にした将来設計を行っていることが特徴的である。 P84
20代~30代の時間の流れは両者とも違っておりますが、40代の中年期には、それまでの生き方の問い直しというアイデンティティの危機を体験していることは、共通した特徴であると論じております。
そしてP119で以下のように論じております。
中年期の危機の中から新しい自分の生き方を発見し、アイデンティティを再構築するには、自分らしい生き方への主体的な模索・探求と選び取った生き方への積極的関与が不可欠である。中年期に自己の有限性を自覚することによって、心の深いところから浮かび上がってくる自己への問いには、次のようなものがある。
・私が打ち込んでやってきたものは何か。その実りは得られているか。得られる見通しはあるか。
・私は、何によって「自分」を確認できるか。
・仕事以外に自分らしさを確認できるところはあるか。
・私にとってかけがえのない人は誰か。
・私は、だれに心をかけて生きてきたのか。私がエネルギーを注いだ人は立派に育っているか。育つ見通しはあるか。
・トータルな生き方として、私の人生はこれでよいのか。
これらは、実存的問いと言ってもよいかもしれない。これらの問いに対する真摯な内省と自己探求から獲得されるアイデンティティが、中年期以降の生き方の確かさを示すものであろう。
私は男性であるが故に女性のことがわからないこともたくさんあります。まずはこのようなところから少しずつでも理解を深めて、今後の就労支援に役立てたいと思います。
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