アイデンティティの生涯発達論7_第165号

本日も、岡本祐子先生の「アイデンティティ生涯発達論の射程」から引用いたします。第5章第3節は「中年女性の心理臨床」というタイトルで、ケア役割を担うことによるアイデンティティの葛藤について述べております。


『その中心的な問題(成人女性のライフスタイルは多様化したが、どのライフスタイルを選択しても、心の発達の上での危機や困難な問題点がある)は、成人初期や中年前期においては、母親役割だけでは自分を支えきれないというアイデンティティ葛藤であり、中年後期においては少ない子どもが親の長い老後を看取ることによって生じる、介護役割が個人のアイデンティティを圧倒してしまうという、もうひとつの葛藤がある。いずれもケア役割を担うことが、ともすれば個としてのアイデンティティに大きな脅威を与えかねないという現象である。』


また、次のようにも論じております。

『このような自分自身への評価の低さは、乳幼児虐待の要因のひとつになっていると武田(1998)は指摘する。(中略)母親になったことによって、これまでの自分自身が大切にしていたものが失われてしまった、あるいは失われていくという自己喪失をあらわしている。このことは、母親役割を担うことによって、「個としてのアイデンティティ」が閉塞してしまっていることを示しているのではないであろうか。』


高齢者介護についても言及しております。

『要介護高齢者をかかえる家族の負担は、ともすれば高齢者に対する否定的な感情や態度を引き起こすことにもなる。(中略)一人の家族が介護の責任を全面的に任されるという事態は、ともすればアイデンティティの崩壊を生じさせることになる。つまり、介護者になったものが、介護役割に自分の全生活を奪われ、社会人としての生活や個としてのアイデンティティが喪失してしまうということである。』


幼児虐待や高齢者虐待が増えてきた感じておりますが、これはすでに1990年代からの問題だったのです。働き方改革が言われております、このような問題がさらに増えないようにしていかなければなりません。

また、このようなことがあるということを伝えていかなければいけないと思いました。

今後の職業訓練での就職支援にも活かしていきたと思いました。

キャリKobaの一日一考

キャリアコンサルタントおよび経営者でもあるKobaが本やニュース等から得られたことを書かせていただいております。

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