アイデンティティの生涯発達論17_第175号

本日で岡本祐子先生の「アイデンティティ生涯発達論の射程」からの引用も最後となります。第8章第3節は「高齢者を対象としたアイデンティティの教育」というタイトルで、高齢者教育について述べております。


『老年期には精神分析的個体発達分化の図式のⅠ~Ⅷ段階の心理社会的テーマが、ライフレビュウ(人生の回想)によって再び吟味され、現在の自分のあり方、アイデンティティの中に統合される。つまり、それぞれの段階の心理社会的テーマが老年期に再体験され、自分なりのやり方までまとめられるのである。』


ここから、高齢者教育として、「自分史作成」と「死への準備教育(老いと死を見つめる)」の学習プログラムを考案し、実施されている。ローマ哲学者セネカは、「生涯をかけて学ぶべきは死ぬことである」と言ったことを引用して、「このように死への準備は一生課題である」と筆者は述べております。


キャリア教育から高齢者教育まで、つまりこれらをまとめて「生涯教育」ということになると思いますが、教育産業やキャリアに関連することに携わる方々はこのようなことを意識しながら支援していくことが大切だと思います。



キャリKobaの一日一考

キャリアコンサルタントおよび経営者でもあるKobaが本やニュース等から得られたことを書かせていただいております。

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