「十訂版 職業訓練における 指導の理論と実際」のP29に職業訓練指導員(講師)の役割を広げる3つの背景について記載されております。
3つの背景
・訓練の多様化
・コーディネータ
・成果の明確化
「訓練の多様化」と「コーディネータ」については説明いたしましたので、本日は最後の「成果の明確化」についてみていきたいと思います.
P30には以下のように記載されております。
第3は、訓練成果の明確化への対応である。労働力の流動化、個人主導の能力開発が本格化し、他方で官民や国と地方の連携、協力、役割分担、調整機能等が求められるようになった。訓練受講者に対しては訓練を受講することでどのような成果が期待できるのか、利害関係者に対しては訓練を受講することでどのような成果が上がったのかを説明することが求められるようになった。(中略)この場合、<font color="#FF0000">就職率や修了者の成績、満足度等の一面的な成果</font>に目を奪われるのではなく、<font color="#0000FF">訓練生の特徴に応じた能力向上や職場の開拓の実現、就職困難者の就職、地域産業への人材供給、地域産業の技術基盤の下支え等、それぞれの施設や訓練コースに求められる目的に応じた成果</font>を示すことが求められる。
本来であれば、上記の青字箇所が訓練成果を明確にしたものと考えられるが、実際には赤字箇所の就職率等が訓練成果となっているように思います。
そのため、定員を上回る応募があると、就職できる人を選考し、就職困難者については落選してしまうということがおこっております。
欧米等の研究では、訓練効果として、訓練受講前後と比較し、賃金・雇用形態等が改善されたかを調査しているものがあるが、日本ではまだそのような研究がありません。
これを私の研究テーマにしてみようかと考えております。
次回からは、「指導員の6つの役割」についてみていきたいと思います。
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