本日は、樋口先生の「雇用と失業の経済学」を引用したいと思います。
第9章は、雇用政策について言及しております。2001年出版となるため15年前のものとなりますが、その頃の提言が今にいきているように思います。
P436には、キャリアカウンセリングの効果に触れております。
なかでも注目しなければならないのは、求職活動をはじめて間もないころのカウンセリング効果である。こうしだ相談業務は人々のその後の就職可能性に強く影響しており、これが実施されることによって失業期間は有意に短縮される。これに対して、失業後、一定期間が経過してから、カウンセリングを受けても、すでに失業慣れしてしまっているために、モラルハザードが起こって効果は薄い。相談業務はとくに専門的教育を受けたカウンセラーに任せた方が効果的であるとの指摘も各国の経験から指摘されている。
職業訓練では、数年前からキャリアコンサルティングを実施するようになりましたが、専門教育を受けたカウンセラーに任せた方が効果的であるということは、私の研究でもどのような結果が出ております。
職業訓練施設には、専門的教育を受けていない人、つまり講師や事務局が面談という形で実施しているケースも散見されますが、キャリアコンサルタントも国家資格になったこともあり、できる限り有資格者を配置するような仕組みにすることにより、質が高い職業訓練になることを期待しております。
また、同書には、訓練効果についても言及しておりますので、その点については明日触れたいと思います。
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