アイデンティティの生涯発達論11_第169号

本日も岡本祐子先生の「アイデンティティ生涯発達論の射程」から引用いたします。第6章第3節は「女性の生涯発達と職業をもつこと」というタイトルで、女性の働き方について述べられております。私は、男性のため、女性への就労支援については、難しさを感じておりますが、この節を読むことにより、今後に生かしていきたいと思います。


『成人女性の発達プロセスは、男性のそれよりもはるかに複雑である。』

『成人女性は、男性に比べて「関係性」そのものの中に深く関与すること、とりわけケア役割を担うことが人生の中で大きな比重を占めている。そしてこのことが、女性にとって深刻で切実なアイデンティティの葛藤を引き起こすことが少なくない。つまり、自分らしい生き方を達成することと、ケアすることのバランスをとることの困難さが、女性にさまざまな危機をもたらしている。』


このようなことから、有職女性のストレスのことについても述べております。


『職業と家庭、特に子育てを完璧にこなそうとすることで葛藤状態に陥ったり、過度の疲労から、めまいや頭痛、下痢、便秘などの心身症的症状や、イライラ、緊張感、抑うつ気分や意欲、集中力の低下といった精神症状が現れる。これは、スーパーウーマン症候群と呼ばれている。』


そしてこれらに対応するために次のように述べております。

『成人期の発達を支え、それを促進するものは、これまでの自分の生き方・あり方ではもはや自分が支えきれない、自分をらしい自分ではないといった、自己の内的危機を認知し、それに主体的に対応していける力、つまり危機対応力であると考えている。』

『職業をもつ女性の発達やメンタルヘルスは、単に職場環境や働き方のみではなく、究極のところトータルな自分の生き方としてこれでよいのかという問いに「イエス」と言えるかどうかにかかっている。自分らしい生き方とは何か、どのようなライフスタイルを志すのかという自分の生き方の志向性に照らし合わせて、自分の人生の中に納得できる職業と働き方を組み込むことが、心の発達を促進し、積極的な生き方の獲得への道であろうと思われる。』





キャリKobaの一日一考

キャリアコンサルタントおよび経営者でもあるKobaが本やニュース等から得られたことを書かせていただいております。

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