本日も岡本祐子先生の「アイデンティティ生涯発達論の射程」から引用いたします。第8章第1節は「学校教育の中でのアイデンティティの教育」というタイトルで、「自立」と「共生」について述べております。
『「自立」と「共生」は、これら「個としてのアイデンティティ」と「関係性にもとづくアイデンティティ」を生活レベルに応用したときに見えてくる視座である。つまり「自立」とは、分離-個体化の発達をとげ、心理的にも生活的にも、自分で自分を支え得ることを意味する。一方、「共生」とは、社会や家庭の中で、このような自立した個人と個人がお互いに支えあいながら「共に生きる」ことを示している。この両者が共に成り立っていくためには、個としてのアイデンティティと関係性にもとづくアイデンティティがともに発達・成熟していることが大切である。』
『ライフサイクル全体を展望した視座のもとに自立と共生に裏付けられた生きる力を育成することは、今後の家庭科教育にとって必須の課題でああり、ひいては、学校教育全体の理念であると言っても過言ではない。』
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