職業訓練指導員(講師)に必要な5つの資質のうちの5つ目「訓練生の信頼を得る能力」について見ていきたいと思います。
引用:「十訂版 職業訓練における 指導の理論と実際」P33
5.訓練生の信頼を得る能力
「訓練生に対峙する場面で最も大切なことは、訓練生の信頼を得ることである。信頼は押しつけて得られるものではない。指導員(講師)として望ましい態度を常に示す努力をすることでのみ得られるものである。訓練生から信頼され好まれる指導員(講師)は、次のような条件を備えていると言われている。
①熱意をもって指導してくれること。
②公平無私で正直なこと。
③辛抱強いこと。
④人柄が良い(親身・親切・思いやり・人間味)こと。
⑤人に好感を与える個性を持つこと。
⑥訓練生をよく理解してくれること。
⑦説明が上手で、”ああ分かった”、”できるようになった”という実感を持つように教えてくれること。
⑧勉強を面白く感じさせてくれること。
⑨厳格でクラスを統制でき、頼りになること。
⑩訓練生の面目を失わせないこと。
訓練生の指導に当たる者は、絶えず自己を反省し、改善して、訓練生から好かれ、信頼される者になりたいものである。訓練生を対峙する指導員(講師)に必要な態度の根幹は、①愛情、②尊重、③権威とに整理できるだろう。訓練生の価値を高めようとする愛情、互いを一個の人格を持った人として尊重しあう態度、教室のリーダーとして訓練生全員をけん引する権威である。我が国の職業訓練は、このような使命を持って訓練生の指導に専念する指導員(講師)によって発展していくのである。」
長い引用になりましたが、とても大切なことが記されていると思います。自分自身が①~⑩まで全てできるているかというと、まだまだのところもありますが、気持ちとしては全てできるように取り組んでおります。
特に最後の2行が重要です。このような使命を持った指導員(講師)が増えれば、職業訓練サービスの質も高まります。そして、訓練生の再就職先での活躍、つまり学習の転移がおこり、生産性が高い働き方をし、自身のキャリアも形成していければ、日本経済もさらなる発展につながるものと思います。
0コメント